2012-06-30

夜の国のクーパー

夜の国のクーパー
夜の国のクーパー

 

実はかなり時間が掛かってしまった。超長編という訳でもないが、単調に話しが続く。数ページ読んでは眠り、次回続きから読もうとすると、話しが解らず少し戻り、果たして読み進んでいるのか戻っているのかわからないような状態だったが、なんとか読み終わった。

だからといって、つまらなかったかというと、そういう訳でもなかったような気がする。

人とネコとネズミが登場する。時にネコ目線だったり、ネコがネズミと会話をしたり、果てはネコが私とも会話をしたりする。私は、私ではなく作中の私なのだが。

ネコの描写は秀逸。ネコを飼っていれば、「あぁ!やるやる!」と思うようなネコ特有の行動が細かく描写されている。

で、内容は、何というか国を治めるというような大きなテーマがあって、その裏に今の日本の状況を揶揄しているのではないんだろうか?と思うような気もして、なかなか興味深かった。そうなんだ、権力者は市民を捨て駒のように切り捨てて、自分の身の安全や地位の事しか考えてないんだ。

安全です。皆さんのためです。私達が守ってあげます。みたいな事や私達が政権を握れば、毎年31万2千円の子ども手当を支給します!なーんて、大風呂敷広げて、16歳未満の扶養控除を廃止して、結果、子ども手当は児童手当になり、3歳以上の子供ひとり当たり、12万しか貰えないんだ。

いったい誰がこんなポンコツに投票したんだ?デモもいいけどちゃんと選挙に行って、まともな人間に投票しないとダメだぞ。無記名でもいいからちゃんと選挙に行かないと、ポンコツに生活をグチャグチャにされちゃうぞ。

話しが全然ちがうな。最後の方で一気に色々な謎が解けていきます。伏線が張ってあって徐々に収束する感じよりは、ジャジャーーーン実はこんなでしたーーーっ!みたいな感じだった。だから、そのジャジャーーーンゾーンに入るまでは割りと単調で、ネコと会話をしたり非現実的なもんだから、ストーリーなのか夢なのか判然しなくなっちゃったり。

ただ、最後の方では「あぁ。この国に必要なのはドジョウ野郎じゃなくて、複眼隊長なんだ」って、ちょっと感動するのだ。

ネコの飼い主には読んで欲しい。あと、政治家にも読んで欲しいぞ。