2011-04-09

図書館戦争 [有川浩 著]

図書館戦争

私自身が確認した訳ではないが、著者自身もライトノベル作家と自身をカテゴライズしているらしい。

そして、私はライトノベルを高校生位の子達が読む物で、「ドゴォォォォォーーーー」的な擬音に埋め尽くされた物をイメージしていた。

以前から名前だけは知っていた、「有川浩」という作家の「図書館戦争」シリーズの表紙には、ライトノベル然とした表紙だと感じていたので、手を伸ばすことはなかった。

そして、ストーリーセラーという伊坂幸太郎の短編を収めた、オムニバス短篇集を図書館で借り、そこに本のタイトルと同じ題名の短編が収められ、とてもいい話だと感じた。その短編の著者が有川浩だった。

しかし、恥ずかしながら私は著者を男性だと思っていた。

そして、ストーリーセラーで先入観を捨てた私が次に手に「キケン」で、大学の機械制御研究部、通称「機研」の火薬オタクの危険人物の部長や部員達の破天荒だが、若者特有の温度感の青春ストーリー的小説。

ここまで来ると、ベストセラーの「図書館戦争」シリーズに手を出さない訳にはいかない。予備知識はゼロで、まったくどんな内容なのか知らない状態で読み始めた。

図書館で、全巻をまとめて借りたので、図書館戦争が第一巻である事の予測はついたが、それ以降がわからないので、刊年順に並べてから読み始めた。ちなみに「図書館戦争」「図書館内乱」「図書館危機」「図書館革命」の順。

さて、いきなりライトノベル的オープニングな図書館戦争シリーズは、事実上の検閲組織メディア良化委員会から図書館の蔵書を守るために武装した図書隊の新人隊員と教官の奥ゆかしく、なかなか進展しない恋と、シニカルな政治批判的な物が隠されている気もするストーリー。

そして、大地震で原子力発電所の事故に揺れている今、最終巻の「図書館革命」ではテロリストに原子力発電所が襲われるという、何となくタイムリーな話題まで。

本好き、図書館好きに是非手に取って欲しい本です。