2010-05-14

中途採用捜査官 @ネット上の密室

佐々木敏
徳間書店

コンピュータ犯罪、経済犯罪をテーマにした小説には珍しく、登場人物のキャラクターが割とフレンドリーで、この手のテーマの小説にありがちな、眉間に皺を寄せて、いつも小難しい顔をしているようなキャラクターが主人公ではない。

元ソフトバンクOSという事もあってか、実在するソフトウェア名なども登場する、SQLサーバーやオービックの勘定奉行などの名前が出てくる。しかし、専門的な知識がないと楽しめないわけでもなく、コンピュータ関係に全く知識がなくても楽しめそう。

出版業界の流通の仕組みなども、ストーリー中に登場してくる。ここでの出版社と取次(日販やトーハンなど)、書店のマージンの率など、かなり詳しく書かれている部分もある。

書店で、ソフト開発をしている私は、たまたま両方の知識が多少あったので、かなり楽しく読めた。

また、二段組みなので、縦方向の視線移動が少なく読みやすい。内容もライトで、セリフの会話部分も多いため、テンポよく読み進められた。

内容(「BOOK」データベースより)
ソフトバンクOBが描く“踊る”IT犯罪「粉飾ベストセラー」の内幕を鋭くえぐる。

内容(「MARC」データベースより)
「かつての上司を逮捕せよ」 SEから捜査官になった男の華麗な警察小説。知能犯を追い詰めてゆく捜査を軽快なテンポで描く。ソフトバンクOBの著者が「粉飾ベストセラー」の内幕を鋭くえぐる。


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